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これまでの放送内容

2009年6月7日(日)

その月が割れるまで ~福岡事件・再審請求の行方~

1947年5月、福岡市で軍服の取引にからみ、日本人と中国人の商人2人が殺害された。警察は計画的強盗殺人事件として捜査し、取引の手付金を手にしていた西武雄さん(当時32)を主犯、2人を撃った石井健治郎さん(当時30)を実行犯、5人の男を共犯として逮捕した。

西さんは関与を否定し、石井さんは「自分が撃たれると思ったから撃った」と正当防衛または誤殺を主張した。しかし、1956年に2人は強盗殺人罪で死刑が確定。1975年に西さんの死刑が執行され、同じ日に石井さんは無期懲役に減刑された。

そして、石井さんは1989年に恩赦で仮釈放され、刑務所で教誨師をしていた古川泰龍さんの生命山シュバイツァー寺(熊本県玉名市)に身を寄せた。石井さんは西さんを含め冤罪を主張し、2005年5月に福岡高等裁判所に6度目の再審請求をした。日本の裁判史上初めての死刑執行後の再審請求である。しかし、石井さんは去年11月に死亡。

この西さんと石井さんの名誉回復のため、『叫びたし寒満月の割れるほど』という西さんが獄中で詠んだ句を合い言葉に、古川さんの長男・龍樹さんや福岡の大学生たちが再審の支援活動を続けている。3月31日、福岡高裁は再審請求棄却の決定を出した。失意の底に沈む古川さん一家だったが、学生たちはあきらめず、全国の大学の法学部の教授たちに支援を呼びかける手紙を出した。その姿を見て、古川さんは活動の継続を誓うのだった。

制作局テレビ熊本(TKU)

次回放送内容

OA:2025.09.21(日)

太平洋戦争末期に制作・公開された、戦時下の福岡を舞台とした映画「陸軍」。陸軍省後援の、いわゆるプロパガンダ映画だ。監督として白羽の矢が立ったのは「二十四の瞳」など、後に数々の名作を手がけることになる木下惠介。“戦意高揚”を目的とした映画だが、“反戦”とも伺えるシーンを忍ばせる。この映画には、福岡などから召集された本物の陸軍部隊・通称「〇ト部隊」が出演していた。沿道で多くの人々が国旗を振った、盛大な行軍シーン撮影。しかし、実際の出陣は映画とは大きくかけ離れたものだった。その後、戦地・フィリピンで地獄の「飢餓戦」を余儀なくされ大半が戦死した「〇ト部隊」。兵士たちの最後の叫びとは…

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