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2010年11月7日(日)

フィルムよ甦れ ~昭和初期の一揆映画~

江戸時代の農民一揆を映画化したフィルムが現存します。保存が悪く試写もままならないフィルムを復元しようと試みる人たちと、一揆の指導者の子孫などの思いは…。

製作は昭和初期。軍靴の響きが世を覆う世相下、当時の人たちがお上に対する“造反”にどういう思いを抱きながら映像化を試みたのでしょうか。描いたのは、江戸後期、唐津藩領で起きた「虹の松原一揆」。譜代大名の藩主・水野忠任はこれまでにないほどの重税を布告します。これに反発した農民たちは立ち上がり、2万5千を数える大規模な一揆へと。藩側の手の及ばない天領との境界近くという地の利を活かしながら、非武装・無血で20日間を抗し抜き、藩側から要求を勝ち取りました。そして一揆を指導しのちに処刑された大庄屋、冨田才治はその侠気の行動から今でも地元で“義民”と称えられ、その名は誇り高く語り継がれています。見つかった35ミリのフィルム。1933年(昭和8年)に完成した映画「義民 冨田才治」。しかし80年近くを経たフィルムは、前後の脈絡なく継ぎ接ぎだらけ。サイレント映画で台本もありません。番組ではこのフィルムを何とか復元し、地元の人たちに観てもらおうと奮闘するひとりの老学者の姿を追います。復元を試みる人たちは、このフィルムで、映画が語る本当のストーリーへの証言を得ることを願って活動を続けます。

制作局サガテレビ(STS)

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