これまでの放送内容 -鹿児島テレビ放送(KTS)-
2016年6月19日(日)
走る まもる つなぐ~加計呂麻バスの1日~
奄美大島の南に浮かぶ加計呂麻島。人口1300人・高齢化率およそ50%の島で暮らす人々の生活の足となっているのが島内にたった一つの公共交通機関“加計呂麻バス”だ。
鹿児島県本土から南へ450キロ。奄美大島の南に浮かぶ加計呂麻島。人口1300人・高齢化率およそ50%の島で暮らす人々の生活の足となっているのが加計呂麻バス。島内にたった一つしかない公共交通機関だ。
バスは、加計呂麻島の玄関口である瀬相港を拠点としている。フェリーから乗客が降りてくると、その荷物を運び、段差があれば手を貸している人々の姿が。バスの乗務員である。乗務員たちの仕事は、単に運転をするだけにはとどまらない。早朝のフェリーで運ばれてくる新聞を集落に配ることから1日がスタート。昔は3日遅れできていた新聞もバスのおかげでその日に読めている。バスに乗らなくても、家の近くのバス停まで荷物を運び、手を上げたらバス停でないところであっても乗せ、行きたいところで降ろしてくれる。ちょっとしたお遣いにまで走る。島民の生活には欠かせない存在である。しかしながら、人口減少により収入は少なく苦しい経営が続いていると社長の林範孝さんは言う。補助金をもらいながらも、それを1円でも減らす努力を惜しまない乗務員たち。バスはなんとガムテープで修理!厳しい状況ながら明るい笑顔を絶やさず島を走り回っているバスを支えるのは、島民からの感謝の気持ちだった。
加計呂麻バスの姿を追い、現代社会が忘れかけているぬくもりを伝える。
出演者:【ナレーター】 山上真実(KTS)
制作局:鹿児島テレビ放送(KTS)
2016年6月5日(日)
電気・ガス・水道料金ゼロ~テンダーの思い~
鹿児島の山里で電気ガス水道を契約せずに独自の術で暮らす”テンダー”こと小崎悠太。彼のライフスタイルを通して、今日本が対峙すべきエネルギーや食料問題を考える。
電気・ガス・水道。我々の生活に欠かせないライフラインを一切契約せずに暮らす男が鹿児島の山里に住んでいる。小崎悠太、32歳。通称テンダー。髪の毛は伸び放題、冬の時期でも裸足にサンダル。木に登って昼寝するのが至福の一時。住まいの家賃は年間1万円。単なる節約生活を送る若者かと思いきや、暮らしの至る所に「環境」に対する思いが詰まっていた。1年半前、テンダーは高齢化率8割を超える鹿児島県南さつま市金峰町長谷集落の空き家に移り住んだ。築44年の住まいで、裏山から引いた水が出るし、薪を燃やして、調理もできる。電源は太陽光だ。テンダーがこの生活を送るようになったのには、父親の存在が大きく影響している。
父・徹さんは、国内の大手製造会社に勤務し、福島第一第二原発など原子炉圧力容器の設計に携わってきたエンジニア。テンダーは幼いころから原子力が日本の未来を切り開く鍵になると、父から聞いて育った。そして23歳のとき、知人からの誘いで青森県六ケ所村に1年間滞在。改めて暮らしや電気について考えを巡らせた。そして、辿りついたのが、環境に出来る限り負荷を与えない今の生活だった。テンダーは今の暮らしを自己完結させようとは思っていない。「発信」こそが自分の役割だと考えている。
エネルギーや食糧の問題は、今日本が対峙しなければならない重要な課題だ。テンダーの暮らしには課題を解決するヒントが隠れているのかもしれない。
出演者:小崎 悠太 【ナレーター】 上片平 健(KTSアナウンサー)
制作局:鹿児島テレビ放送(KTS)
2016年4月17日(日)
ばんざい岩~奄美大島の戦争~
鹿児島県奄美大島本島の北の集落・佐仁。太平洋戦争中、出征兵を見送った神石がある。終戦から70年を迎えた今年、この“ばんざい岩”の記憶をたどる。
奄美大島本島の北の集落・佐仁。“島唄と踊りは佐仁に行け”と言われるぐらい島唄が盛んな集落である。その集落の入り口に大きな岩がある。集落の人々はこの岩を“ばんざい岩”と呼ぶ。太平洋戦争中、佐仁集落からも多くの若者たちが戦地へと向かった。“ばんざい岩”が見える集落側の砂浜には、若者を送り出す家族と親戚、集落の人々が、出征する若者は“ばんざい岩”に立ち、ふるさとの風景を心に刻むのである。集落の唄者がオコレコレ(送るという意味)という出征兵を送る島唄を歌い始める。最後は砂浜の集落の人々が一斉にばんざいを始め、若者の姿が見えなくなるまで続いたという。終戦から70年を迎えた今年、当時を語れる人は数人だけである。番組では出征経験のある福忠勇さん(89)と、3歳のとき母親に抱かれて出征兵を送った前田和郎さん(76)の二人を訪ね“ばんざい岩”の記憶をたどる。
出演者:【ナレーター】 山上真実(KTSアナウンサー)
制作局:鹿児島テレビ放送(KTS)
2016年2月21日(日)
砂に生きて、砂に還る。
砂と水だけを使い、形に残ることのない“一期一会”の芸術「砂像」。その魅力に取り付かれた鹿児島県南さつま市出身の茶圓勝彦さんが、砂と向き合い続ける理由を追った。
砂と水だけを使い、形に残ることのない“一期一会”の芸術「砂像」。その魅力に取り付かれた男性がいる。世界でも数少ないプロ砂像彫刻家、鹿児島県南さつま市出身の茶圓勝彦さん54歳。南さつま市には日本一の長さを誇る砂丘・吹上浜がある。この地で28年前、日本で初めて砂像を展示するイベントが開催された。茶圓さんは、その第1回から運営に関わり、砂像のもつ可能性を追求し続けてきた。転機が訪れたのは1999年、崩れる危険性が高く不可能とされていた“人物像”を「独自の理論」を元に制作し、世界大会で一位に輝いた。そんな茶圓さんが手がける世界でただひとつしかない壮大なプロジェクト。その制作現場に密着し、砂と向き合い続ける理由を追った。
出演者:砂像彫刻家 茶圓勝彦さん 【ナレーター】 井上彩香(KTSアナウンサー)
制作局:鹿児島テレビ放送(KTS)
2015年11月29日(日)
電気ガス水道料金ゼロ テンダーの思い
鹿児島の山里で電気ガス水道を契約せずに独自の術で暮らす”テンダー”こと小崎悠太。彼のライフスタイルを通して、今日本が対峙すべきエネルギーや食料問題を考える。
電気・ガス・水道。我々の生活に欠かせないライフラインを一切契約せずに暮らす男が鹿児島の山里に住んでいる。小崎悠太、32歳。通称テンダー。髪の毛は伸び放題、冬の時期でも裸足にサンダル。木に登って昼寝するのが至福の一時。住まいの家賃は年間1万円。単なる節約生活を送る若者かと思いきや、暮らしの至る所に「環境」に対する思いが詰まっていた。1年半前、テンダーは高齢化率8割を超える鹿児島県南さつま市金峰町長谷集落の空き家に移り住んだ。築44年の住まいで、裏山から引いた水が出るし、薪を燃やして、調理もできる。電源は太陽光だ。テンダーがこの生活を送るようになったのには、父親の存在が大きく影響している。父・徹さんは、国内の大手製造会社に勤務し、福島第一第二原発など原子炉圧力容器の設計に携わってきたエンジニア。テンダーは幼いころから原子力が日本の未来を切り開く鍵になると、父から聞いて育った。そして23歳のとき、知人からの誘いで青森県六ケ所村に1年間滞在。改めて暮らしや電気について考えを巡らせた。そして、辿りついたのが、環境に出来る限り負荷を与えない今の生活だった。テンダーは今の暮らしを自己完結させようとは思っていない。「発信」こそが自分の役割だと考えている。エネルギーや食糧の問題は、今日本が対峙しなければならない重要な課題だ。テンダーの暮らしには課題を解決するヒントが隠れているのかもしれない。
出演者:小崎 悠太【ナレーター】上片平 健(KTSアナウンサー)
制作局:鹿児島テレビ放送(KTS)