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番組審議会から

第671回番組審議会

議  題 『ドキュメント九州 じぶんだけの色 画家・太田宏介が描く世界』
2025年4月20日(日) 午前6時30分~7時00分
出席委員(レポート提出含む) 藤 井 克 已 委員長
喜多村 浩 司 副委員長
 森  亨 弘 委員
中 村 ク ミ 委員
林 田  歩  委員(レポート)
 辻  慎 一 委員
太 田 宏 昭 委員
横 尾  誠  委員
岡 田 絵梨奈 委員
独自の色彩でキャンバスを彩る、福岡県在住の画家・太田宏介さん。海外でも個展を開く人気画家ですが、知的障害を伴う重度の自閉症を患っています。
宏介さんは、下書きを一切せず、キャンバスの縁まで大胆に色彩を施します。型にとらわれず、心赴くままに生み出される遊び心あふれる独自の色彩が最大の魅力です。
そんな宏介さんの兄、信介さん。かつては周囲の目を気にして弟の存在を隠していた時期がありましたが、会社員時代に仕事のプレッシャーや人間関係で苦しんでいた際、実家で見た宏介さんの自由な作品に深く感銘を受けました。弟の生き方から自身の生き方を見つめ直し、自分らしく生きるきっかけをくれた弟の絵を多くの人に届けたいという思いで起業を決意。12年前に会社を辞め、宏介さんの絵の販売や個展の企画・運営を行う会社を立ち上げました。
信介さんの夢は、弟・宏介さんが後世にも名が残るような画家になること。宏介さんの作品を展示する美術館を設立し、ハンディキャップがあってもここまで挑戦したという証を残したいと考えています。
心のままに描き、自由に生きる。宏介さんの、ほのぼのとした日常に密着しました。

委員からは

  • この番組のタイトルの意味、『じぶんだけの色』が入り口から非常に分かりやすかった。
  • 障がいがありながらもたくさんの作品を描き、多くの人々を温かい気持ちにさせる画家の方がいらっしゃるということをしっかりと理解できたし、そのすごさも良く伝わった。
  • 30分番組ということで、宏介さんが自由を得たというところに焦点を当てた明るい番組に作り上げていた。
  • ご両親への感謝の気持ちも、教えられたものではなく心から湧き出るものだというような流れになっていて、番組の展開もよく考えて作られていた。
  • お兄さんが明るく、弟に救われたというような感じで終始明るいイメージを保たれていたのも良かった。
  • 自分自身が「自由」でなかったことへの気づきから弟の創作活動を支えるためにお兄さんが起業して、太田宏介美術館の設立に向け奔走する姿というのは良かった。
  • 今回の番組で何度となく発言があった「自由」。自分らしく表現することがまさに「自由」であることは視聴者に伝わったと思います。
  • 思いもつかないような色彩を自由に生み出しているところとか、固定観念にとらわれない姿を見ていると、宏介さんから勇気というか元気をもらえるようなところを感じましたし、自分も純粋に頑張ろうと励まされたような番組だった。
  • 日々の生活が紹介されたことで、ご家族やご本人、あと介助者の方が多くの課題に直面していることもよく理解できますし、この番組を通して一人でも多くの人が相互理解を深めるきっかけになればというふうに感じました。
  • 全体を通じてテンポが良くて、宏介さんの子供の頃から今までの成長、そして日常というのをよく描き出していた。
  • ナレーターの方も淡々としつつ、落ち着いていて、うまくはまっていた。
  • 30分という時間の中で、飽きさせることなく、うまく起承転結というか、ストーリーを描いていた。
  • 非常にアップテンポな明るい音楽を使っていて、お母さんのコメントも非常に明るいところはすごく良かった。
  • 30分番組に凝縮して、わざと暗いところ、つらいところを出さずに、これでもう30分やっちゃえと意識的にやっているならば、非常にナイストライ。
  • 色をつくっていく、あの混ぜるところの画の撮り方とか、TNCは他局よりも技量が数段進んでいるんじゃないか。
  • 「自由」という言葉がテロップとかで繰り返し使われていて、その意味はよく分かるんですけど、私はそれを強い言葉で言うと、解釈の押しつけというふうにも感じました。
  • 陽の部分だけではなくて、ご苦労された部分だとか大変だった部分を描かれれば、より宏介さんの深さとか感動が深く描かれたと思う。
  • 視聴者にどういう思いとか感情または問いを残したかったかというのが少し分かりにくくなってしまったなと思う。
  • 「お給料をもらってどうですか?」「嬉しいんですかね、やっぱり」という声は、43歳の男性に対しての質問としてはちょっとどうかな?と感じた。
  • 非常にセンシティブな内容をあえて取り上げ番組を制作することは、とても気を使い大変だったと思いましたが、視聴者に本当は何を伝えたかったのかは正直分かりませんでした。
  • もう少し大きな視点で捉えた内容になっていたら、社会に向けた課題提起や行動を促すきっかけになったかもしれません。
  • アーティスト目線の専門家の意見なども伺ってみたかった。
  • 台湾のときの紹介のテロップに「自閉症の画家」というのが文字で出てしまっていて、それがちょっと残念だった。
  • 太田さんがかなり有名になっているこのタイミングで、二番煎じというか、後塵を拝しているのかなというのはちょっと地元局として残念。
  • ドキュメンタリーをやることによって、販売の面でも若干プラスに働くんじゃないかとか、いろんな邪推を持ってしまいました。
  • 彼の個性をもっともっと表に出して、それをお母さんとかお兄さんが笑いながら見ていくような番組にしていただくともっと良かった。
  • 一般の視聴者が見られる時間帯に放送するべきだ。

などの意見を頂きました。

局からは

  • きょうだいに知的障がい者を持つ方がどういうふうな活動をしているのか。宏介さんを通して美術館を設立しようとしているとか、きょうだい児のコミュニティーというところの、お兄さん、信介さんの活動を取材しようということで始まった。
  • 取材も本当にとにかく、ほぼほぼ毎日通い詰めて、まず関係性を築いてというやり方をしていました。
  • とにかく宏介さんという明るいキャラクターを最大限に生かすにはどうしたらいいのかというところで、彼のキャラクター、魅力が一番伝わるつくりはこれじゃないかというところで出した30分の番組です。
  • ドキュメンタリーを作る上で押しつけがましくならないようにというのは悩ましいところで、解釈の押しつけになるかならないかのぎりぎりのラインは常に探りながらやっています。
  • 極力、私たちの思いを「自由」という言葉に置き換えていっぱい入れたんですけれども、やっぱり押しつけに感じられる部分もあったのかな。

などの説明をしました。

番組審議会事務局より

  • 視聴者レスポンスについて
    2025年5月に寄せられた視聴者ご意見などの件数および特徴を書面にまとめてご報告しました。

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