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日本伝統造り酒屋 比翼鶴酒造

福岡県久留米市城島町(じょうじままち)にある、明治28年創業の伝統造り酒屋です。昨年(2015年)の12月はじめから新酒づくりを追いかけました。
ここのお米は全て福岡県産米(ふくおかけんさんまい)。今年はなんと1500俵、90トンものお米を準備してお酒を造ります。
この玄米を削る具合によって、様々な種類のお酒になるそうです。
今回の撮影時は70%の精米でレギュラーの本醸造(ほんじょうぞう)・純米酒を作ります。

タイマーがずらっと並んでいます。
これはお米を洗う時間と、漬けておく時間をちゃんと計っています。
お米の温度と水の温度を測って、漬ける時間を決める作業で長年の勘とデータが美味しいお酒を造る秘訣だそうです。
しっかりとお水を吸い込んだお米は、大きな釜へ運ばれます。
この釜は一度に1トンも蒸せる巨大ガマです。
蒸された酒米(さかまい)には、種麹(たねこうじ)が振り掛けられ、りっぱな米麹(こめこうじ)へと成長させていきます。
三日間ゆっくりと眠ったお米には、麹菌がしっかりと食い込んで、りっぱな米麹(こめこうじ)になりました。
水麹(みずこうじ)を仕込みます。
地下200mからくみ上げた水を与えると、休眠していた酵母が、勢いよく目覚めはじめました。
2日目の醪(もろみ)です。まだまだ固くて、櫂棒(かいぼう)を入れるにも力がいります。櫂(かい)入れの中で一番力がいる作業だそうです。
4日目、発酵が進み、中にたまっていた炭酸ガスが抜けて音を立てています。
杜氏(とうじ)さん達は、毎日毎日タンクに櫂棒(かいぼう)を入れて、醪(もろみ)との会話を楽しんでいる様にも見えます。
およそ一か月して、いよいよ醪(もろみ)を絞ります。
お酒って無色透明ではなく、黄金色なんですね。
絞ったあとには、酒粕ができます。これで甘酒や粕汁などをつくったり、タンクに数か月漬け込んで奈良漬にもするそうです。
一部は新酒として出荷されますが、ほとんどは夏を越すまでゆっくりと熟成させて
9月に入って気温が落ち着いたら瓶詰めして出荷されるそうです。
9月の詰め始めの頃のお酒を「ひやおろし」と呼ぶそうです。
今年は一升瓶で10万本のお酒を造る予定です。

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