幕末に生まれ、現代では幻となっていた『薩摩ボタン』を復活させ、魅力ある、求められるアートへと進化させ続ける。
実は、昨年夢のコラボが実現していた。幻となっていた薩摩切子を復活させた中根櫻龜との二人展だ。自ら復活させた『薩摩ボタン』との響き合いの中に見えた覚悟、それは「再び薩摩を世界へ」だ。
独学で『薩摩ボタン』を復活させた匠には、挑戦したいステージがあった。世界中からコレクターが集う、アメリカのボタン大会だ。目が肥えた海外のコレクターに心を掴むために翻訳カードを作成した。
匠は、アトリエの周りの豊かな自然をデッサンする中から、薩摩ボタンの題材を見出す。森の中の小さな祠と、樹齢350年の老木を題材にした薩摩ボタンは、匠にしか作れない唯一無二の作品だ。
薩摩ボタンは、伝統工芸品「白薩摩」に、金など豪華絢爛な配色を施し、ミリ単位で絵を描いたもの。匠は、小さなボタンに限らず、大きな作品にも挑戦する。遊び心満載の薩摩ボタンは人を笑顔にする。
優れた技術を持つ九州各地の匠たちを紹介している「匠の蔵」。4月の匠は、鹿児島県垂水市の室田志保さん。幻となっていた『薩摩ボタン』を独学で復活させ、魅力ある、求められるアートへと進化させ続ける匠の“志と技”、ぜひご覧ください!