古くから世界に開かれた街・長崎で、海外から伝わり、この地でしかうまく育たない希少な「伝統野菜」を作り続けている。
長崎伝統野菜は、今、少しずつ広がりを見せている。中尾は坂の空き地を農園として活用する取り組みに種を提供したり、地元の小学校で授業を行うなど、次世代へ繋ぐ事に尽力している。
20歳から農業を営む中尾だが、当初は野菜には興味がわかなかったという。そんな中尾が伝統野菜の生産を始めたきっかけとは。そして作るだけではなく「食べてもらうため」に中尾はある大胆な行動にでる。
長崎伝統野菜の1つ「唐人菜」。一般の白菜とは違い、葉は立ち外開きになっていて、正月雑煮のほか、サラダなどに使われる。その名前から歴史に思いを馳せることもでき、長崎の生きた文化遺産となっている。
「長崎伝統野菜」は海外との交流が盛んだった長崎独特の食文化に欠かせないもの。しかし、食生活の変化で中尾が生産を始めたころには種もごくわずかとなっていたという。種を守り育てる中尾の思いとは。
優れた技術を持つ九州各地の匠たちを紹介している「匠の蔵」。
2月の匠は栽培農家がわずかになってしまった長崎の伝統野菜を守り、育てる農家の中尾順光さん。取材を担当した歌人・俵万智さんとナレーション担当のジョン・カビラさんが見どころを語ってくれました。