沖縄の伝統楽器「三線」の“棹”を65年に渡り作り続ける職人。頭の中にある設計図と技術で、独特の曲線美のある棹を生み出している。
匠が三線づくりで大事だというのが「見る目」。この見る目と技術を後進たちに惜しみなく伝えるという。そしてもう一つ、受け継いでもらいたい大事な沖縄の“心”があった。
匠のもとで技術を学んだ三線職人に話を聞く。伝統的な型がある三線だが、匠の生み出す棹には「カッコよさ」を感じたという。そこには設計図に表せない独自の曲がりがあった。
三線職人となる前は大工としての腕を認められていた匠。24歳の頃に転機を迎え、三線職人の道へ。三線の材料は「黒木(黒檀)」。同じ木材を扱う大工の経験が三線づくりの礎となっていた。
沖縄本島の南部、南城市にある工房で“棹”を削り出す匠。音色はもちろん、なめらかで美しい曲線を追求している。そのこだわりは「三線」の呼び方にも表れていた。
優れた技術を持つ九州各地の匠たちを紹介している「匠の蔵」。8月の匠は沖縄県南城市の銘苅春政さん。三線の命といわれる「棹」にこだわり、独自の造形美を追求した三線は「銘苅型」と称されています。その美しい形状と音色、ぜひご覧ください!