■交流戦企画「掛布雅之×池田親興」対談
2年ぶりに行われている交流戦は各球団がほぼ半分の日程を消化した。過去15度の交流戦で12球団最多8度の優勝を誇るソフトバンクはセ・リーグ首位の阪神と甲子園で対戦(6月4〜6日)。今カードの注目点、ルーキー佐藤輝明の魅力などをTNC野球解説者の池田親興氏(62)が現役時代にともに阪神でプレーした「ミスタータイガース」掛布雅之氏(66)との対談で探った。(4日取材、文中敬称略)
◇ ◇ ◇
池田)今カード、何勝何敗だと思いますか。
掛布)タイガースの2勝1敗。先発ピッチャーが7回まで投げて3点差あれば逃げきれるでしょ。スアレスがいるから。
池田)彼は今17セーブですか? 一番安定してるでしょ、スアレスは。
掛布)いい時の藤川球児より安定しているように見えるもん。
池田)160キロ投げるんですよ。
掛布)ボールが暴れないし、そんなにムキに投げてない。
池田)野球経験値そのものは少ない選手なんですよ。ホークスに来て、タイガースに行く前年に初めて2イニング投げた。
掛布)そうなんだ。失敗したの見たことないもんね。
池田)だから彼はタイガースに移籍したことによって、彼の力が、野球に対して開花した。
掛布)本当にありがとうだよな、ソフトバンクさんに。スアレスはなんで(ソフトバンクは)出したの? どっかおかしくなっちゃったんでしょ。
池田)おかしくはなってないですよ。
掛布)スアレスがいなければ阪神は大変だったと思うよ。
池田)いやあ、レンタル移籍じゃなかったかな(笑)。でもスアレスがいることによって、中継ぎがしんどいけど、先発が頑張れる要素になっている。先発の防御率いいですからね。中継ぎをどう対処するかっていうのがタイガースにとってそこが一番大事なんですかね。
掛布)タイガースの今年の好調の要因を挙げると佐藤は絶対挙がる。それとスアレスも絶対に挙がる。それと梅野だな。
池田)梅野ですね。
掛布)キャッチャーを固定して、梅野の存在は大きいと思うわ。
池田)打つ方でもここ数年、素晴らしい。
掛布)得点圏打率も素晴らしいね。やっぱりあの、ワンバンを止める技術って素晴らしいですよ。
池田)ホークスの甲斐がすごいのは肩の強さのことを言われますけど、ワンバンを後ろに逸らさない技術は日本一だと思うんですよ。梅野はそこに匹敵するテクニックを身につけた。だから、それだけ低めに投げられるピッチャーがいるっていうことにもなるんですよね。
掛布)そう、そういうことなの。先発ピッチャーがある程度のクオリティースタートができるというのが今の阪神。それと走るという意識がね、セ・リーグ6球団でナンバーワンだと思うんだよね(話は続く)
(TNC「CUBE」5日オンエアより一部抜粋して再構成/YouTube「ももスポチャンネル」で全編公開中)