松田宣浩内野手(38)が史上4人目の交流戦通算50本塁打に迫っている｡6月3日のDeNA戦で放った今年の交流戦での2本目､一時同点の3ﾗﾝが歴代単独4位に浮上する48本目だった｡残りは阪神､広島､ﾔｸﾙﾄとの3ｶｰﾄﾞ(9試合)で今年中の大台到達が射程内だ｡12球団最多の8度の交流戦優勝を誇るｿﾌﾄﾊﾞﾝｸで8度の優勝を全て知るﾍﾞﾃﾗﾝをTNC｢ももｽﾎﾟ｣MCの吉川貴司がｵﾝﾗｲﾝで直撃した｡(取材は5月29日/取材･構成=仲村信太郎)

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　〈ｺﾛﾅ禍で開幕が大幅に遅れた昨年は史上初めて交流戦が中止となった｡2年ぶりの交流戦でｿﾌﾄﾊﾞﾝｸは日程の半分を消化して2勝5敗2分け｡過去最多の優勝を誇る王者が苦しんでおり､後半の巻き返しが期待される〉

吉川)ﾎｰｸｽは過去15度の交流戦で8度優勝｡その中でも最も｢交流戦を知る男｣は松田選手だろうという結論に達しました｡間違いないですよね?

松田)間違いないでしょう(笑)

吉川)ﾎｰｸｽにとっての交流戦の位置付け､改めて教えてください｡

松田)交流戦ってｼｰｽﾞﾝが開幕してから2ｶ月ぐらいたってから行われますよね｡もう今年の戦い方､これだっていうのが､だいたい交流戦の時期ぐらいから決まってくると思うんです｡ちょうどそこと交流戦の時期とが重なってきて､本当にﾎｰｸｽにとっても､個人的にもそうなんですけど､そこからｷﾞｱを上げていくという位置付けになっています｡

吉川)長いｼｰｽﾞﾝを戦う上で､松田選手にとって交流戦はどういうところがﾎﾟｲﾝﾄになるんでしょうか?

松田)過去の結果をみても分かりますけど､交流戦で優勝して､そこから勢いがついてﾘｰｸﾞ優勝､日本一になっていると思います｡なので必ず交流戦というのは勝優勝しないといけないと思っています｡そういう位置づけで戦っています｡

吉川)松田選手は5月17日が誕生日｡そこから成績もぐんぐん伸びて...っていうのもありますよね｡

松田)37歳から38歳になりましたし､5月17日を境にもう一回頑張りたいなという思いがありますね｡ずっと1軍の舞台で活躍したいという思いでいますし､38歳になっても痛いところはない｡それが一番の強みなので､この強みとを生かして､ｹﾞｰﾑに出続けて結果を出し続けたいなと思います｡

〈交流戦は2005年に導入され､松田は06年にｿﾌﾄﾊﾞﾝｸ入団｡ﾙｰｷｰ時代からｾ･ﾘｰｸﾞの球団とほぼ毎年対戦を重ね(10年は故障で出場なし)､通算出場は272試合となった｡本塁打が1本もなかったのは14年のみ｡前回開催の19年は36歳でMVPに輝いた〉

吉川)何度も話が出てくると思いますが､交流戦は対戦したことないﾋﾟｯﾁｬｰもいて限られたﾃﾞｰﾀの中で戦います｡松田選手が思う打つための極意は?

松田)打席に入った時のにおいと感覚です｡　

吉川)におい…?　ちなみにどんなにおいがするんですか?

松田)甘い球が来そうなにおいがしたり､ここは絶対に打ってやろうというね｡打席の中でﾌﾟﾝﾌﾟﾝしているんですよ､交流戦というのは｡

吉川)ちなみにそのにおい､におうときはｸｻいんですか(笑)

松田)はい!　だいたい分かりますよね｡ﾊﾟ･ﾘｰｸﾞの試合って対戦が何度もあるﾋﾟｯﾁｬｰばっかりなのでいろいろﾃﾞｰﾀとかｲﾒｰｼﾞってつきやすいんですけど､交流戦というのは本当に初対戦のﾋﾟｯﾁｬｰもたくさんいるし､ｼｰｽﾞﾝ1回限りのﾋﾟｯﾁｬｰもいますので｡感覚だったりにおいっていうのがね｡大事ですよ〜｡交流戦はにおいと感覚が勝っているﾁｰﾑが勝つと思います｡

　〈交流戦通算本塁打の1位は西武･中村剛也で78本(3日現在)｡松田はその中村に次ぐ現役2位だ(通算2位は阿部慎之助=60本､3位は村田修一=60本)｡過去のｶｰﾄﾞ別で最高の3割4分7厘､DeNA戦に次いで多い10本塁打を記録したﾔｸﾙﾄ戦も残している松田に大台ｸﾘｱへの意欲も聞いてみると...〉

松田)目の前の数字はｸﾘｱしていきたい｡50本という数字があるので､そういうのは常に頭に入れながらね｡｢4熱男｣できたら50本ということで頑張ります!

吉川)どこの球場でﾎｰﾑﾗﾝを打ちたいっていうのは?

松田)なかなかｾ･ﾘｰｸﾞの球場で試合するのは少ないので､そういった意味ではﾋﾞｼﾞﾀｰでも｡

吉川)甲子園とか?

松田)ﾌﾟﾛ野球選手になっても甲子園って独特なものもありますし､聖地甲子園っていうだけであって高校野球の時に誰もが憧れる場所なんで｡そこで3試合あるので何本か打てたら幸せですね｡

吉川)過去を振り返ってﾒﾓﾘｱﾙｱｰﾁはありますか?

松田)｢46熱男｣は全部覚えていますよ｡

吉川)広島では3者連続ｱｰﾁもありました(16年､投手は黒田)｡

松田)あｰ､あれですか｡柳田､内川さん､松田の3連発ですね｡印象深いﾎｰﾑﾗﾝをどんどん打っていきたいと思います｡

吉川)2015年には阪神戦でｻﾖﾅﾗﾎｰﾑﾗﾝを打っています｡

松田)ちなみにそこは3試合連続ﾎｰﾑﾗﾝですよね｡

吉川)すごい!全部覚えているんですね!

松田)｢46熱男｣は全部覚えているって言ったじゃないですか(笑)

　〈松田が本塁打を打った後のﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽとして､ｿﾌﾄﾊﾞﾝｸのみならずﾌﾟﾛ野球ﾌｧﾝ全体に浸透した感のある｢熱男｣｡球場ではｽﾀﾝﾄﾞのﾌｧﾝと一体となる光景がおなじみだが､ｿﾌﾄﾊﾞﾝｸは5月途中から福岡県に緊急事態宣言が出ている間は自主的にﾎｰﾑの主催試合を無観客で開催している｡松田はどんな思いで｢熱男｣を繰り出しているのだろうか〉

松田)ｺﾛﾅ禍の中で､ﾌｧﾝの皆さんとともに戦えないっていう寂しさはﾌﾟﾛ野球選手全員が思っている｡特に(ﾎｰﾑは)無観客なので､ﾃﾚﾋﾞの前で見てくれているﾎｰｸｽﾌｧﾝの皆さんに届いてほしいな､という思いでやりました｡

吉川)ﾌｧﾝの方からもうれしかったという声が上がっていますよ｡

松田)そういう夢や希望を｢熱男｣でどこまででもできたらなと思うし､これからもそういう存在でありたい｡数多くの｢熱男｣をﾌｧﾝの皆さんに届けたいと思います｡

吉川)最後にﾌｧﾝの皆さんへﾒｯｾｰｼﾞをお願いします｡

松田)節目の50熱男をとにかく今年決められるように頑張っていきます｡熱男〜♪

(TNC｢ももｽﾎﾟ｣1日ｵﾝｴｱ･YouTube｢ももｽﾎﾟﾁｬﾝﾈﾙ｣より)