◇ソフトバンク7-2オリックス(22日・ペイペイドーム)
柳田が決勝の先制3ランを放ち、チームを3カード連続の初戦白星へ導いた。
初回1死1、3塁。オリックス先発の左腕、田嶋の内角低めストレートを強振した。フォロースルーの構えのまま柳田、田嶋、捕手の頓宮、球審が行方を見守る中、打球は切れることなく無観客の右翼スタンド上段へ突き刺さった。
膝付近の球を捉えたこの一打について、球団広報を通じ「チャンスだったので、犠牲フライでもいい、という気持ちで打席に立ちました。ホームランになったのはたまたまです」とコメント。試合後も報道陣の取材に「たまたまですよ。たまたまがいい場面で出た」と繰り返した。
出てくる言葉は「たまたま」ばかり。柳田らしいが、真面目なトーンで難しいコースを仕留めることができた”理由”も明かした。
「いつも練習を手伝ってくれている打撃投手のおかげです」
試合前の打撃練習では左腕のベテラン、濱涯打撃投手のボールを打って調整。特にコースなどのリクエストをしたわけではなく「いつも通り一生懸命練習した。来た球を打つだけ」という。その中で「自分でいろいろ、いいバッティングできるように練習している」と細かい説明はしない中でも工夫していることを明かし、感謝の思いを口にした。
グラシアルが負傷離脱した翌日の9日から 4番を任され、この日で10試合目。3試合目で今季初の”4番弾”を放って以降の本塁打は8戦3発となり、全て複数打点のアーチだ。開幕戦で今季1号の2ランを放った後は5本連続でソロだっただけに、効率よく得点できていることがうかがえる。小久保ヘッドコーチはグラシアルが離脱した後の打順の考え方を「4番から決めている。4番は柳田、それから前後の打者をどうするか」と説明。柳田もその期待に応える形で打点を稼いでいる。
重責を担う柳田は「いいバッティングをしないといけない、したいという思いで打席へ入っている」と強調。そのための準備を重ね、出た結果が「たまたま」というわけだ。この日は3回の適時打も含め2安打4打点。今季最長の連続試合安打は8に伸びた。