ソフトバンクは18日午前、福岡県に緊急事態宣言が発出されている間は本拠地ペイペイドームで行う主催試合を無観客で実施すると発表した。同球場で公式戦を無観客で行うのは昨年開幕時の6月から7月にかけて以来となる。
今回の対象は5月22、23日のオリックス戦、28〜30日の巨人戦。31日に宣言が解除されず延長となった場合は無観客試合の期間も延長する。2軍公式戦、練習試合、3軍戦などファームの主催試合も同様に無観客とする。
これまで観客上限は政府方針に沿って5000人としていたが、販売済みのチケットは有効となるため宣言初日の12日にペイペイドームで行われたロッテ戦には8778人が来場していた。球団広報によると、28〜30日の巨人戦はすでに各試合1万5000枚ほどを販売済み。今回の決定でチケットは全て払い戻し対応となり、シーズンチケット(年間指定席)も無効となる。
無観客試合は経営面でのダメージが大きく、4月下旬に日本野球機構(NPB)が緊急事態宣言対象地域の試合を原則無観客とすることを決めた際、斉藤コミッショナーは昨年から感染防止対策にコストをかけてきたとして「(無観客は)あくまで例外的。基本は有観客のもの」と強調。政府に補償を求める意向を明かしたが、今回ソフトバンクは独自に判断して決定した。
球団広報は「有観客に感染のリスクがあるとは考えていない」と基本的にはNPBの考えに沿うとした上で「ホークスの考えた問題は人流。巨人戦となるとかなりの混雑が見込まれる」と説明。福岡の感染状況を踏まえ、大規模な集客となる試合を無観客にすることで人の流れを抑制することにつながると判断した。
これより前の17日夜、孫正義オーナーは自身のツイッターに「福岡PayPayドームでのホークスの試合は緊急事態宣言解除の日まで自主的に無観客試合とすることを検討したいと思います。正式発表は後ほど」と投稿。球団広報によると孫オーナーが事前に検討を指示した際「感染状況をみると無観客の選択肢もある」と返答したという。孫オーナーの投稿を受け、関係各所と調整した上で一夜明けての発表となった。