9年目の高田知季内野手(31)が「すごいプレッシャー」の中で存在感を見せつけている。左足手術の影響で昨年はプロ8年目で初の1軍出場なしに終わったが、今季は開幕から1軍でプレー。遊撃レギュラーの今宮に代わる守備固めで主に起用され、ここまで23試合に出場して失策ゼロの安定感だ(13日現在)。31歳の誕生日翌日、そして手術からちょうど1年がたった7日、TNC「ももスポ」MCの吉川貴司がオンラインで守備職人を直撃した。(取材・構成=藤本聡)
ー6日が誕生日でしたね。おめでとうございます
ありがとうございます。6日はもともと買い物に行く予定だったんですが犬が骨折しまして...。それどころではなくて、家でゆっくりしていました(笑)。
ー数年前はお立ち台でハッピーバースデーソングを歌っていました
今年は(6日に)試合がなかったので。懐かしいですね。
ーここまで主に守備固めで20試合以上に出場しています
試合展開をよみながら、いつ出番がくるかなと。心の準備も含めてやっている。正直、もっと点差が開いてくれたらなあと思っています。
ー今宮選手に代わっての出場が多い
やっぱり球界を代表するショートなので、その代わりに出るというプレッシャーはすごい。どうしても比べられてしまうので、そのプレッシャーの中で絶対に失敗は許されない。でも、そのプレッシャーも生きがいというか、やりがいです。
ー今宮選手とのやり取りはある?
毎回「任せた」「お願いします」というやり取りはあります。
ーグラブのこだわりは
こだわりは強い方だと思います。毎年なかなか納得のいく、信頼のおけるグラブがなく、今使っているものは実は18年モデルなんです。今年で3年目。どのプレーをイメージしても信頼がおけるグラブで、逆シングルや球際など不安なくできます。
ー具体的なこだわりポイントはどこでしょうか
ここの捕球面が(ボールが)浮かないようにしてもらっている。ボールが動いてしまうと握り替えの際にロスが出てしまう。ミスが出ないようにこの捕球面が浮かないのが条件です。あとは深さも人より深めですね。僕の場合は当て捕りというよりは握りたいので、ちょっと深めに作ってもらっています。
ー他の内野手と違った作り?
好みですね。今宮も僕のグラブに近い。周東はもっと浅いと思います。僕は深みがあってしっかり捕れるのがこだわりです。
ー重さなどは
重い方がいいんですが、革はへたっていくものなので僕は硬い方が好き。巨人の坂本さんも冷蔵庫に入れたりして硬さを維持しているそうですが、僕のはそれをしなくても硬いので気に入ってます。
ーところで、今日でちょうど1年です。去年の5月7日、左足の手術を受けられましたね。
えっ、この日を(取材日に)狙ったんですか?(笑) たまたまですか? 去年のきょうですね、手術したのは。去年はこの時期、本当に痛かったので、手術して本当に良かったと思います。このケガで本当にいろんな思いをしました。
ー手術を受ける際の支えになった存在は
奥さんですね。家のことも何もできない中で献身的にサポートしてもらって。食事面もそうだし、本当に力になりました。
ーシーズンのほとんどがリハビリ生活。焦りはありませんでしたか
年齢も年齢だったので、復帰したところで居場所がなかったら戦力外、というのも意識していました。
ーそんな日々を乗り越えて今年は開幕から1軍。亜大で同期の東浜投手も間もなく1軍に戻ってきそうです。昔の映像でこんなのもありましたよ(大学時に取材した映像)
いや、この動画はやめましょう(笑)。
ー覚えていますか?
覚えてます、覚えてます。東浜は当時から信頼できますし、ホークスにとって大切な投手。僕自身、早く帰ってきてほしいと思っています。大学を卒業して9年ですね。
ー当時の高田選手、ものすごい丸刈りですね
これは気合です(笑)。
ー話を現在に戻します。高田選手がいま、やりがいを感じている瞬間は?
すごいプレッシャーの中で出場しているので、なかなかのびのびはできないんですが、チームの勝ちに貢献したいという思いはあります。でもなかなか厳しい状況なので、この緊張感の中でできることを喜びながらも打球が飛んでくるなと...(笑)。足が震えそうなくらい緊張します。
ー守備職人としての覚悟を感じます
昔から守備には自信がありました。ミスはするかもしれないけど、なるべくミスを少なくするため、練習から意識を高く持ってやっていきたいと思います。
ーファンの皆さんへメッセージを
緊張した場面で出ることも多いですが、今宮に負けないくらい自分はうまいんだという思いで、強い覚悟で練習から臨んでいます。ぜひ見てください。
ー今宮選手も高田選手が守備固めで出るのなら信頼しているのでは
そう思ってくれたらうれしいですね。
(TNC「ももスポ」12日オンエア/Youtube「ももスポチャンネル」より)