◇ソフトバンク6-4楽天(4日・ペイペイドーム)
今季初登板だった3月30日以来の白星を目指した先発の笠谷が勝ち投手の権利を目前にして降板した。
初回は三者凡退。浅村を153キロの直球で空振り三振に仕留めるなど気合満点の立ち上がりだった。2回に茂木に先制ソロを浴びるも、直後に打線が逆転。4回無死満塁のピンチもギアを入れたようなピッチングで乗り切り、2点リードで5回のマウンドを迎えた。
このイニングを抑えれば2勝目が見えるところだったが、先頭の8番黒川に中前打を浴び、9番村林にプロ1号の2ランを献上。1番にかえって辰巳にこの試合4個目の四球を与えたところでベンチから工藤監督が出て交代を告げた。
笠谷「何とか粘っていこうという思いだった。5回は早くこの回を終わらせたいという気持ちが出てしまい、投げ急いでしまった。点を取ってもらってもリズムよくアウトを取ることができず、いい流れをつくれなかった。ずっと長いイニングを投げることができていなかったので、もっと長いイニングを任せてもらえる投球がしたかった」
7年目で初めて開幕ローテ入りした笠谷はここまで最も長く投げたのは初登板の3月30日で6回(1失点)。以降は5度の登板で5イニング以上投げたのが一度だけで、5回途中で降板したケースが3度ある。先発投手として役割を果たせておらず、能力を認めながらも甲斐とのバッテリーで結果を出せずにいることが工藤監督にとってももどかしいようだ。
「そんなにコントロールがビシビシでのピッチャーではい。球の勢いはあるので、もうちょっと頑張ってほしかった」
エース千賀の離脱以降、期待を込めて週の最初の試合が基本となる火曜の先発マウンドを任せてきた左腕について工藤監督は「そんなに最初から点を取られるピッチャーではない。ボールの力はあるし、短いイニングの中で投げるのも一つの方法」として救援での起用も検討していることを明かした。その場合は次週の火曜日が空くことになるが、現在1軍にいない先発候補としては一時的に出場選手登録を外れている武田、故障明けで昇格秒読みの東浜らがいる。昨年4勝を挙げ、今年は自らアピールして開幕ローテの切符をつかみとった笠谷が大きな壁に直面している。