2軍調整中の大竹耕太郎投手(25)が「闘争心」をテーマに復活を目指している。
2年ぶりに開幕ローテ入りしたが今季初先発した3月31日に3回7 失点と炎上。わずか1試合の登板で2軍落ちした後は4月10日に先発して6回4失点、その後は先発としてのレベルを上げるため、中継ぎで短いイニングで力を入れて投げる調整法に取り組んでいる。現在は「球威が戻ってきた」と手応えを感じている様子。課題の球速は平均で3キロほど上がり、140キロ台も出始めたという。
最速161キロを誇るエース千賀を筆頭に、ソフトバンクは左腕でも150キロを超す球を投げる投手がそろう。その中で大竹はいわゆる軟投派の左腕として存在感を示してきた。ルーキーだった2018年や開幕ローテ入りした19年は140キロ台中盤の球も連発。それでも昨年あたりから変化がみられ、結果として球威不足がクローズアップされるようになった。
「ここ1年は力を抜いてバランス良く投げていた。それだけだと力を入れたいときに力が入れられない。今は去年やっていた動作、逆立ちなどと下半身強化の両方に取り組んでいます。常時140キロを出せるように」
球威アップを目的とした下半身の強化で制球が安定し、コースを狙って投げられる確率が増加。自信を取り戻しつつある背番号10は、さらにこう続けた。
「今年のテーマは闘争心。これまでは『打たれたらどうしよう』とか、そういうネガティブ思考になっていた。闘争心を忘れていた」
今週の2軍戦に中継ぎでマウンドに上がり、状態がよければ先発としての”復帰”登板も予定されている。育成で入団して1年目で支配下登録を勝ち取った男が、忘れていた闘争心を燃やして1軍ローテ返り咲きを狙う。
(取材=米多祐樹)