ソフトバンクに育成選手として入団したキューバ人右腕、アンディ・ロドリゲス投手(22)がファームの首脳陣、選手をざわつかせている。
昨年までキューバ国内リーグでプレーし、昨季は28試合で5勝3敗11セーブ、防御率1・94。2019年にはキューバ代表として国際大会「プレミア12」に出場したとはいえ日本での実績はなく実際の投球内容が注目されていた。14日の入団会見では「95マイル(約153キロ)は出る」と断言。さらに「キューバでクローザーをやっていたので日本でもやりたい。自分が投げて、試合が勝って終わるのが好き」と話したが、その言葉が大言壮語ではないであろうことは、練習を見た人の共通の思いとなった。
キャッチボールやブルペンでの投球を見た関係者は「すぐ支配下になれるのでは」と異口同音に口にした。ソフトバンクでは同じキューバ出身のモイネロが17年5月に育成選手として入団し6月には支配下へスピード昇格。あっという間にブルペンに欠かせない存在となり、昨年は最優秀中継ぎのタイトルも獲得した。そうした前例を見ているだけに、ロドリゲスをモイネロに重ねる向きも多いようだ。
ロドリゲスも早期の支配下入りへ意欲を隠さない。
「体のコンディションは100パーセント、問題ない。いい環境でトレーニングができている。今年1年いいピッチングをして、さらにいいピッチャーになって1軍で投げられるようになりたい」
デスパイネ、グラシアル 、モイネロとキューバ選手の先輩が実績をつくっていることもあり、異国の環境になじむのも早かった。「日本での生活はいいよ。ご飯がおいしいのもいい。魚がおいしかった。ステーキも出たし、米もおいしいね」。食文化の違いも受け入れ、寮生活を満喫しているようだ。
直球、スライダー、チェンジアップに自信を持ち、現在はスプリット習得にも調整中。何よりの武器を「自分を信じる強い気持ち」と言い切り、順調なら4月中にも打撃投手として登板する見込みだ。ソフトバンクの支配下登録人数は現在68人で、上限の70人まで2枠。果たして今季中の支配下入りはあるのか、3桁の番号を背負った新外国人の今後に注目が集まる。
(取材=内藤賢志郎)