2021/02/02 12:10
ソフトバンクの城島健司球団会長付アドバイザー(44)が2日、キャンプ地の宮崎で球団の未来像について熱く語った。
古巣のフロント入りという形でソフトバンクに復帰して2年目。昨年との違いを「基本的には変わらない」としながらも、現役時代に同じユニホームを着て戦った先輩でもある新任の小久保ヘッドコーチとコミュニケーションを取りながら新たに着手したことがあるという。
それが野手の指導法のマニュアル化。マニュアルというと指導法を画一的にしたいようにも聞こえるが、城島氏の考え方は少し違う。
「今までは選手とコーチが共有していただけ。それだと10年20年たっても何も残っていない。例えば柳田という選手にこういう指導をしたという例があっても、20年後には柳田は現役じゃない。それを、たとえ失敗したとしても、選手に指導していく方法をホークスの宝として、みんなが見られるようにできればいい。こういうふうにして伸びた、伸びなかった、そういうものが宝になっていく。今までもやっていたけどそれが形として残っていないのがどの球団も現実。それを、マニュアル化して残したい」
チームは昨年の防御率が先発、救援ともに12球団トップ。投手陣の指導法については「工藤監督が整備された」と強調する。城島氏が見据えるのは、その「野手バージョン」だという。
「コーチは引き出しをいっぱい持っている。これじゃないとダメということはない。選手がいい方向へいくため、迷わないために、少なからず教える側全員が、寄り道もするが、少なくとも向かっている方向は同じだというふうにしていきたい。このチームは歴史が浅い。そのほとんどは王さんがつくってきた。王さんが残してきたもの、考え、それをマニュアル化したい、それがホークスの戦い方だとずっと思っていた」
同じ方向を目指すのはユニホームを着た現場の人間だけではない。フロント、スカウトなども考え方を共有すのが理想。メジャーの例も含めひとしきり熱弁をふるった後に「なんか俺、大学教授みたいな話してる」と冗談まじりに一言。しかし、その目はいたって真剣だ。
「組織ってことを起こそうとしたらすごく労力がいる。不平不満や批判もある。でも、ことが動きだすとみんな納得してくれる。一番労力がいるのは歯車が動くとき。そういう何かをやろうとするときに(自分は)文句を受ける役、あいつがおったな、みたいな。そんな感じかな。球団がやってみようというからやってみましょうよ、と」
目下の課題はパソコン。得意の釣りを例に挙げながら「糸の直結の仕方とかはいっぱい知ってるけど、クリックは得意じゃない、今、習ってます」という。「この時代だからしていかないといけない」。こうした流れも球団の宝として残っていくのかもしれない。
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