3月はじめから続いてきた、臨時休校などの新型コロナウイルスの感染拡大の防止策です。
専門家会議の提言や政府の方針を受けて、福岡でも自粛解除に向けた動きが出始めています。
新年度の準備が進む現場を取材しました。
温かな日差しを浴びて、いまにも綻びそうなサクラのつぼみ。
本格的な春の訪れに教育現場では、新型コロナの影響を乗り越えて新学期を迎えるための準備が進んでいます。
【記者】
「子どもたちの声が聞こえない、休校中の席田小学校です。こちらでは新年度に向けた対応に追われているようです」
【席田小学校 大城友記校長】
「3月分とか学習できなかった分を、こういうふうに4月または5月に赤字で挿入して、指導計画をもう一度見直しをしてと(市教委から通知)」
福岡市の教育委員会が作成した新年度の学習計画です。
突然の休校で学習できなかった授業内容を、次の学年に繰り越して4月に学習するよう記されています。
【大城校長】
「6時限目7時限目を作れるように、ゆとりある時間割にしている。ですから時間的には捻出できる」
「早く子どもたちが学校に戻ってきてくれて、先生たちと一緒に学べたら」
一方、福岡市内の学生服専門店では、スタッフが新1年生用の制服の梱包作業に追われていました。
新年度から、福岡市立の中学校の制服がブレザータイプにリニューアルされるからです。
【スクールショップ ジャンプ長尾店 内田一也社長】
「こちらの店舗で600弱、本店を合わせたら2800着ぐらいですね」
ただ、中国などで生産されているカッターシャツなどは新型コロナの影響で入荷が遅れているといいます。
「通常、制服を縫製している工場が急にマスクを縫うようになったとか、そういう話で、どうしても納期が遅れている」
福岡市立の中学校の入学式は4月9日に予定されていて、この店では、何としても間に合わせたいとしています。
「どうしても思い出のある商品でもありますし、納品だけは絶対に遅らせる訳にはいきませんから」
「心を込めて梱包して発送できるようにしています。もう少しお待ち頂きたい」
こちらは福岡県筑後市の図書館です。
3月4日から臨時休館が続いていますが、一部の貸し出しサービスは休むこと無く続けています。
【記者】
「こちらではインターネットなどで1日200件ほどの予約があるということです」
インターネットや専用の用紙で貸し出し予約ができるようにしたところ、申し込みが殺到し、19日までの2週間で2019年度の1年分を上回る1950件の予約があったといいます。
【筑後市立図書館 一ノ瀬留美館長】
「一冊一冊アルコールの消毒液でふいてお渡しをするように、時間はかかりますけどそういうようにしています」
【利用者】
「本を読むのを習慣にしているので」
「できるだけ早く解決してほしい」
予期せずはじまった、小中高校の臨時休校や公共施設の臨時休館。
新学期が間近に迫る中、開花を待つ桜の蕾のように再開への期待が膨らんでいます。