去年1月､福岡市のJR博多駅近くの路上で､元交際相手の女性を刺して殺害した罪に問われている男に対する裁判員裁判の初公判が17日､福岡地裁で開かれ､男は起訴内容を一部否認しました｡

殺人やｽﾄｰｶｰ規制法違反などの罪に問われているのは住所不定･無職の寺内進被告(32)です｡



起訴状によりますと､寺内被告は去年1月16日午後6時すぎ､JR博多駅近くの路上で､元交際相手の川野美樹さん(当時38)の帰宅を待ち伏せして追いかけ､胸や頭などを刃渡り約24ｾﾝﾁの包丁で何度も刺して殺害したとされています｡

寺内被告は2022年11月､ｽﾄｰｶｰ被害を警察に相談した川野さんの職場に押しかけるなどして､警察からｽﾄｰｶｰ規制法に基づく｢禁止命令｣を受けていました｡

寺内被告をめぐっては､2022年8月､川野さんに声をかけた男性を殴り顔を骨折させるｹｶﾞをさせた傷害の罪に関して､すでに裁判が行われていて､今年3月に有罪判決を受けています｡



17日午前10時から福岡地裁で開かれた初公判で､寺内被告は｢刺したことは間違いないですが､待ち伏せしたことは違います｣と､殺人罪については認めた一方で､ｽﾄｰｶｰ規制法違反の罪については否認しました｡

弁護側も殺人罪については認めた上で､｢恋愛感情はすでに失っていた｣とｽﾄｰｶｰ規制法違反の罪については無罪を主張しました｡

一方､検察側は｢被害者を逆恨みした悪質性が高い犯行｣と指摘しました｡

裁判は17日午後に被告人質問などが行われ､6月28日に判決が言い渡される予定です｡