ﾆｾ電話詐欺による被害が急増する中､福岡をはじめ､全国では電話ではなくﾒｰﾙによる詐欺も相次いでいます｡

福岡に住む男性の元に届いたそのﾒｰﾙとはｰ



<実際に届いたﾒｰﾙ>
『あなたのお子様は窃盗容疑で逮捕され､被害者に100万円の賠償金を支払う必要があります｡至急下記口座にお振込下さい｡』

子供が逮捕されたというｼｮｯｷﾝｸﾞな情報と共に､賠償金の支払いを要求するﾒｰﾙ｡

その差出人は警察庁となっています｡



◆ﾒｰﾙを受け取った北九州市在住の男性
｢最近よくお年寄りがだまされて､何千万もとられて､みたいな話を聞くし､そういう方を食い物にするのは許せない｣

北九州市内に住む60代の男性の元にﾒｰﾙが届いたのは2月26日｡

男性が何よりも驚いたのは､ﾒｰﾙのお粗末な内容でした｡



◆ﾒｰﾙを受け取った北九州市在住の男性
｢一番おかしいのは､『警察庁について』ときて､いきなり『私たちは警視庁です』と｡警察庁も警視庁もまったく別の組織なのに｣

ﾒｰﾙの送り先は｢警察庁｣となっているにも関わらず､本文では｢私たちは警視庁です｣と名乗っています｡

さらに､振込先の口座として11個､別々の口座番号が記載されています｡

これは､どれか一つの口座に振り込めばいいのか､それともすべての口座に100万円を振り込め､という意味なのでしょうか｡

◆ﾒｰﾙを受け取った北九州市在住の男性
｢あまりにもすぐ偽物だとわかるので､笑ってしまったのが正直なところです｣



さらにﾒｰﾙの中では､日本では使われない漢字も使用されています｡

実は､同様のﾒｰﾙは全国で相次いでいます｡

SNSで検索してみるとｰ



<X(旧Twitter)より>
『うちの息子　窃盗容疑で逮捕されたのか…　ここにいるけど』

なんともお粗末な詐欺ﾒｰﾙ｡

送り主の目的とはｰ｡

ﾒｰﾙに記載されていた｢03｣から始まる番号に電話をかけてみるとｰ

◆電話の音声
｢こちらは警察庁です｡ただ今の時間は通常の電話交換業務は行っておりません｣

なんと､この電話番号は本物の警察庁のものでした｡

もちろん警察庁がﾒｰﾙを送っている事実はなく､今回､男性から情報提供を受けた福岡県警がﾒｰﾙの送り主について捜査しています｡