新型ｺﾛﾅ『第8波』への警戒が高まる中､今年の『忘年会』はどうするのか?

福岡の街を取材しました｡

今年も残すところあと1ｶ月半､1年の苦労を飲んで食べて忘れる『忘年会』ｼｰｽﾞﾝがまもなくやってきます｡

◆川崎ｷｬｽﾀｰ
｢このところ､ｺﾛﾅ第8波への警戒感が一気に高まる中で､今年の忘年会､行うのか､行わないのか､街中の会社員を中心に話しを聞いてみたいと思います｣

◆川崎ｷｬｽﾀｰ
｢今年は忘年会する?｣
◆金融関係　20代
｢する予定です｡幹事で｣
◆川崎ｷｬｽﾀｰ
｢予約したのはいつごろ?｣
◆金融関係　20代
｢きのう予約をしました｡予約が取れなくなっちゃうから､早めに予約して､1週間までだったらｷｬﾝｾﾙ無料の店を確認して予約をしました｣

◆川崎ｷｬｽﾀｰ
｢今年は忘年会する?｣
◆製造業　50代
｢会社でやらないです｡大人数はNG｡もともとﾙｰﾙ的に厳しい方なので､忘年会をやるという話にならなかった｣

◆川崎ｷｬｽﾀｰ
｢今年は忘年会する?｣
◆幼稚園教諭　30代
｢やろうと思っているけど､第8波が来ているので､どうしようかなと思っています｣
◆川崎ｷｬｽﾀｰ
｢人数は何人ぐらい?｣
◆幼稚園教諭　30代
｢20人ぐらいですね｡感染者が増えてきたりとか､園児や職員がかかったり､そういう状況がちらほら出てきたら忘年会をしない方向｡早く決めないと予約する店にも迷惑かけると思うので､すごく迷っています｣

民間調査会社が福岡の企業に､今年『忘年会』を実施するか聞いたところ､半分以上の55%が開催しないと回答｡

また､ｺﾛﾅで行動制限が出ても実施すると答えた企業はわずか5%でした｡

やはり､ｺﾛﾅの感染状況が忘年会の実施に大きく影響しそうです｡

そんな中､福岡県の16日の新規感染者は2992人と､2日連続で2000人を超えました｡

こうした状況に16日､県の医師会は危機感をあらわにｰ｡

◆福岡県医師会　堤康博 副会長(16日午後の会見)
｢11月に入って1000人から2000人と増加傾向を示しており､すでに第8波に入ってきているものと認識している｣

福岡県内はすでに第8波に入っているとの認識を示し,12月ごろに感染のﾋﾟｰｸが来ると予測しています｡

これから迎える忘年会ｼｰｽﾞﾝ､飲食店では―

◆赤木ｱﾅｳﾝｻｰ
｢こちらの飲食店では､忘年会ｼｰｽﾞﾝに向けた準備が行われています｡机の上にはおいしそうな料理がたくさん並んでいます｣

◆ｽﾀｯﾌのやり取り
｢それでは手を合わせてください｣
｢いただきます｣

15日､福岡市･今泉の居酒屋では､ｽﾀｯﾌが集まって店の料理を味わっていました｡

実は､ただ食事をしているﾜｹではありません｡

◆｢一伍屋｣山村竜也さん
｢12月の忘年会ｼｰｽﾞﾝに向けて､ｺｰｽ料理の試食を社員一同で行っております｣

行われていたのは､12月から始める忘年会向けｺｰｽ料理の試食会です｡

◆ｽﾀｯﾌのやり取り
｢うまいけど見た目がちょっとあれやね〜｡(提供の仕方は)木箱でした方がいい｣
｢焼いてもらう感じで｣
｢年末やけんね｡そうそう､目の前の鉄板でｻｶﾞﾘは焼いた方がいいかな｣
｢うまいけどね｡汁も出るやろう､肉から｣

1品1品を吟味し､味や見た目だけではなく､料理を配膳する流れなども細かくﾁｪｯｸします｡

ｺﾛﾅ禍の忘年会ｺｰｽ料理で特に気をつけているのが､｢ﾒｲﾝ料理｣の提供の仕方です｡

◆赤木ｱﾅｳﾝｻｰ
｢忘年会のおいしそうなもの､たくさんありますが､中でも目玉だというお鍋｣

冬の宴会に欠かせない鍋料理｡

この店では､今年から1人用で提供するようにしました｡

◆｢一伍屋｣山村竜也さん
｢どうしてもｺﾛﾅ禍と言うこともあって､みんなで大きい鍋をつつくというよりは､1人1個ずつ小さい鍋で今年は提供しようと思っています｣

◆赤木ｱﾅｳﾝｻｰ
｢いただきます｡豚肉の甘さはしっかり感じられますが､ﾈｷﾞのｼｬｷｼｬｷ感とゆずの香りでさっぱり頂けますね｣

忘年会の準備が進むなか､現在の予約状況はどうなっているのでしょうか?

◆｢一伍屋｣山村竜也さん
｢12月末から埋まってきていまして､電話の問い合せも毎日頂いているので､どんどん増えていくかなと思っています｣

今年の予約状況は順調で､去年に比べて1.5倍ほどになっているといいます｡

しかし､不安なことも…

◆｢一伍屋｣山村竜也さん
｢前ほどひどくはないですけど､『ちょっと社内でｺﾛﾅの感染者が出たので今回見送らせてもらえますか?』というｷｬﾝｾﾙもある｣

福岡でも感染者が増加傾向にあり､周囲で陽性者が確認されたとしてｷｬﾝｾﾙする客が出てきているということです｡

第8波の懸念が高まる中､ｺﾛﾅ禍のこれまでになかった形で忘年会を行う客もいるといいます｡

◆｢一伍屋｣山村竜也さん
｢意外と『11月中に忘年会を終わらせる』という方もいらっしゃるので｣

｢忘年会の前倒し｣です｡

年末に感染者が急増すると見込んで､11月中に忘年会をしようする客が増えているといいます｡

｢忘年会の前倒し需要｣を取り込もうと､この店では12月8日まで割引きｷｬﾝﾍﾟｰﾝを行っています｡

◆｢一伍屋｣山村竜也さん
｢飲食がにぎやかにならないと､街の本来の活気というのが本当の意味で戻らないと思う｡ｺﾛﾅに負けずに､感染対策しっかりして､街の活気･地域を盛り上げたいなと思っています｣

ｺﾛﾅ禍で迎える3度目の年末｡

第8波への警戒が高まる中で､忘年会をめぐる模索が続いています｡