昨年12月に受けた右肘手術からの復帰を目指す甲斐野央投手(24)が8日、約10カ月半ぶりの実戦登板に臨んだ。
タマスタ筑後で行われた3軍の四国アイランドリーグplus高知戦で先発。1回を投げ無安打無失点だった。先頭に四球を与えたが、次打者をこの日最速の153キロ直球で投ゴロ併殺。最後は内野ゴロに打ち取り打者3人で終えた。
実戦は故障に苦しんだ昨年、1、2軍を通じ唯一の登板だった7月24日の2軍戦以来。ファームの本拠地ということもあり「温かく送り出してもらった。チームからもファンの皆さんからも頑張ってという声をいただいて、やっぱりうれしかったです」とホッとした表情を見せた。
最初に対戦した2人は左打者。ストレートについて「外に逃げるボールが逃げながらも弱くはなくて、コーナーを突いていければファウル、ゴロとか、打ち取れそうな感触があった。あとはタイミングだけ」と振り返った。変化球で使ったのはスライダー、フォーク。「抜けたけど改善はできる。駄目だったところが分かったので」と前向きな言葉を口にした。
同期入団の杉山、泉が開幕1軍入りし、泉はチーム2位の18試合に登板(8日現在)するなど奮闘中。甲斐野はチーム最多の65試合に登板した2年前のルーキーイヤーを思い起こしながら決意を新たにした。
「悔しいというか、1年目に僕が投げていて(同期が)悔しい思いをしていたのかなというのも分かった。ゴールはそこ(1軍)なので、投げられるように。まだまだ、ゆっくりでもなく、急ぐでもなく、自分がやるべきことをやってパフォーマンスを上げていけるようにしたい」
288日ぶりの実戦マウンドで手応えの15球。2年ぶりの1軍登板へ向けて、今後はファームで実戦を重ねながら状態を上げていくことになりそうだ。
(取材=内藤賢志郎)