新外国人のニック・マルティネス投手(30)が27日から始まる今季初の9連戦で新天地デビューする可能性が出てきた。
ローテの順番通りなら通常は試合のない月曜に先発が1人必要。加えて、ここまで全ての土曜日に先発した高橋礼が不調で工藤監督は中継ぎへの配置転換も示唆している。一時的に出場選手登録を外れている武田のほか、9連戦中にファームから1人または2人の昇格が予想される。
ペイペイドームで投手練習が行われた26日、二保、マルティネスの2軍戦での投球映像を確認したという森山投手コーチは「いいという話は聞いているので、そこをどう当てはめていくか」と強調。高橋礼の動向を見ながら、二保とマルティネスを昇格候補としてローテを組んでいく考えを明かした。
昨年まで3年プレーした日本ハムから移籍したマルティネスは、来日後の待機期間を終えた13日にファームに合流。14日にはシート打撃で最速151キロを計測し、18日の2軍戦で移籍後初の実戦マウンドに上がった。
さらに中5日で24日の2軍戦に先発して6回を72球でまとめ最速153キロ、無四球無失点と好投。試合後に「全体的にペースもよかったしどの球でもストライクが取れた。メカニック的にも納得のいく形で投げられた」と手応えを口にした。打者の左右を問わずに使ったチェンジアップについても「追い込んでからも投げられた」と収穫があった様子だ。
日本で4年目のシーズンとはいえ初めてプレーするチームということもあり、首脳陣やチームメート、スタッフと積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿も際立つ。中でも自ら質問をぶつけているのが膝のコンディションを整えるため現在ファームで調整中のベテラン捕手、39歳の高谷だ。
「キャッチャーとのコミュニケーションは大事。試合以外にも(コミュニケーションを)とるようにしてる キャッチャーがどう思ったかが重要。全幅の信頼を寄せているし、常にベテランからの声は大事にしているんだ」
エース千賀は今季初登板だった6日のプレー中に左足首を負傷し長期離脱中。思わぬ事態で先発ローテが固まらず、チームは今季14勝のうち先発の勝ち星は半分の7勝しかない。いやが上にも注目度が増す中、来日1年目の2018年に10勝した実績のある右腕は「自分としては準備ができている。どうなるかは分からないので、次の登板に向けて準備するだけ」と語った。
(取材=副田瑞樹)