◇ウエスタン・リーグ ソフトバンク6-1オリックス(23日・タマスタ筑後)
開幕ローテ入りしながら1試合で2軍落ちした大竹耕太郎投手(25)が調整のため中継ぎで登板した。
6番手で8回からマウンドへ。8回は三者凡退、9回は連打を浴びるなどして1点を失い、計2回を投げ2安打1失点だった。
1軍で今季初先発した3月31日に3回7 失点と炎上し、2軍降格後は4月10日に先発して6回4失点。そこから中11日と間隔を空け、その間にウエートトレーニングなどで筋力アップを図ったという。「短いイニングを力を入れて投げるやり方に取り組んでいる。結果的にいい感じで投げられたと思う」と振り返り、平均135キロ前後だった直球の最速が140キロと”大台”に乗ったことに「自信になった」と口にした。
キャンプから先発として調整してきた左腕の中継ぎ起用について、倉野ファーム投手総括コーチは「あくまでも先発としてのレベルを上げるためのもの」と説明。短いイニングで強い力を出させるのが狙いで、単発の策ではなく「しばらくやってみたい」とプランを明かした。
もちろん、本人も意図は理解している。「今は明確にトレーニングの方向性があるので、それに従ってやっていきたい。もともとゾーンを攻めるタイプ。長いイニングをどうやって投げ切るか考えていたが、短いイニングをより力を出す方向でやっていく」。先発として復活するために、強い球を求めて目の前の打者と向き合う構えだ。
育成で2018年に入団し、1年目に支配下入りして3勝。翌年は開幕ローテ入りして5勝を挙げたが後半に失速し、昨年はわずか3登板で2勝に終わった。倉野コーチは「本来は1軍のローテに入らないといけない選手」と強調。エース千賀の離脱で1軍ローテは苦しいやり繰りを強いられているが、出遅れていた東浜の昇格が秒読み段階に入り、新外国人のマルティネスも順調、開幕ローテのラスト1枠を最後まで争った二保も状態を上げている。必死の思いでつかみとりながら手放したローテの枠を取り戻すため、地道に自分と向き合う。
(取材=小山一英)