2021/02/22 09:45
ソフトバンクの定位置争いが内外野をまたいで激しくなってきた。
キャンプは21日までに5クールを終え紅白戦3試合を実施。23日に始まる第6クールからはいよいよ対外試合がスタートする。
現時点で故障もなく開幕時のポジションが確定していると言えるのは捕手の甲斐、三塁の松田くらいだ。もっとも争いが激しいのは外野。中堅が定位置の柳田は両アキレス腱のコンディション不良でリハビリを続けており、まだ走るメニューに入れていない。打撃練習では快音を響かせており、まだチームに合流していないデスパイネ、バレンティンの動向にもよるが開幕時はまずDHからという可能性もありそうだ。
その場合、外野の3ポジションはどうなるか。ここまで外野手の若手でアピールが際立つのはここ2年の低迷から復活を懸ける上林や2年目の柳町、佐藤直。ベテラン長谷川も打撃で貫禄を示し、手術歴のある右足首の状態にも手応えを口にしている。ここに一塁も守る中村晃、栗原、さらに現在待機期間中で3月のオープン戦からチームに合流する見込みのグラシアルも入ってくる。
守備力に定評のある上林が好調を持続して右翼に入った場合、栗原は左翼か一塁。一塁で昨年ゴールデングラブ賞を獲得した中村晃の守備位置にもよるが、外野と一塁が埋まれば栗原は今年から練習を始めたばかりの三塁で松田に挑むこともあり得る。
内野も熾烈だ。両ふくらはぎの不調でリハビリ中の今宮はすでに実戦練習に入っており3月から1軍に復帰する見込み。順調なら遊撃で開幕を迎えられそうだが、間に合わない場合は川瀬、牧原が候補となる。二塁は昨年盗塁王で紅白戦でも走った周東がレギュラー定着を狙っているが、攻守でアピールできなければベテラン川島や明石、昨年2軍の首位打者で今キャンプ好調の三森も控える。牧原は昨年まで内野全ポジションに加え外野も守ってきた実績がある。開花の兆しが見えるリチャードは紅白戦で三塁を守っており、打撃でアピールが続いた場合のポジションがどうなるかも注目される。
捕手は甲斐に不測の事態が起きた場合の備えが必要だ。ベテラン高谷が手術明けのため開幕時は不在が濃厚で、第2捕手を海野と谷川原で競う。経験の浅さをオープン戦などでどこまで補えるか。高谷が離脱して”甲斐頼み”だった昨シーズン終盤とポストシーズン同様、内外野で出場する捕手登録の栗原も含めた捕手3人体制で臨むことが予想される。
工藤監督は投手陣の乱調もあったここまでの実戦を「今のところ打者の方が投手の球に対応できている」と見ている。ハイレベルな野手の競争がリーグ連覇と5年連続日本一を目指すソフトバンクにうれしい悩みをもたらしている。
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