2021/02/02 20:30
TNCが検証報道を続けている太宰府主婦暴行死事件。
被害者に対する傷害致死事件の裁判員裁判が始まりました。
奇妙な同居関係だった3人の間に一体何があったのか。
注目の裁判で、両被告はそれぞれ罪をなすりつけ合う主張をしました。
午前9時半 福岡地裁ー
傍聴券を求め多くの人が集まった、2日の福岡地裁。
太宰府事件を巡る一連の裁判は最終盤に突入しました。
起訴状などによりますと、山本美幸被告と岸颯被告は2019年10月、当時36歳の主婦・高畑瑠美さんを太宰府市の自宅に監禁し、太ももをナイフや割り箸で突き刺したほか、木刀などで暴行を加えて死亡させた罪などに問われています。
瑠美さんの母親は生前の瑠美さんについてこう振り返ります。
▼高畑瑠美さんの母親
「どっちかというと私が瑠美を頼りにしてました。近所の人たちからうらやましがられる、いいねと言われる感じでした。すぐ来てくれるし」
誰よりも家族思いだったという瑠美さん。
しかし、事件の数カ月前から様子が一変。
山本被告らと親密になると家族とは距離を置き、激しい口調で金を取り立てるようになったのです。
▼瑠美さんの母親
「マインドコントロールされていたんだと思います。瑠美が電話をしてきたときに、後ろで何か聞こえるんですよね。誰かがいるみたいな」
瑠美さんがなぜ被告たちと同居することになり、無残な死を遂げたのかー
事件から1年3カ月が経ち、ようやく裁判員裁判が始まりました。
午前10時開廷ー
起訴状が読み上げられると、2人はそれぞれこう主張しました。
▼山本被告
「私自身、共謀もやってないし、すべてしていないというのが自分の意見です」
一方、岸被告はー
▼岸被告
「全部が全部山本さんがしたとも言い切れないですし分からないので、自分がしてないとしか言えない」
両被告ともに「自分は暴行していない」などとすべての起訴内容を否認。
一方で、両被告の弁護人は互いに罪をなすりつけあうような主張を展開しました。
▼山本被告の弁護人
「山本さんは岸被告が瑠美さんを足で踏みつけたり、木刀で叩いているところは見たことがあります。山本被告も暴力を受けたことがあり、止めることができませんでした」
これに対し岸被告の弁護人は-
▼岸被告の弁護人
「山本被告が上、岸被告が下という強い支配関係があり、逃げ出すことはできない異常な世界だった。瑠美さんを助けてあげたいと思ったが、岸被告が通報すれば自分の周りに危害が及ぶかもしれないと考え実行できなかった」
互いが「相手に支配されていた」と主張しました。
今後の裁判では当時の瑠美さんの様子を知る証人が出廷する予定で、支配関係などの全容が明らかになるか注目されます。
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