2021/01/29 20:30
TNCが検証報道を続ける太宰府主婦暴行死事件。
一連の対応について佐賀県警のトップが29日、記者会見のカメラの前で初めて口を開きました。
佐賀県警定例会見ー午前11時ー
佐賀県警本部の会見場に姿を現した杉内由美子本部長。
記者会見の場で『太宰府事件』についての質問が初めて許されたとあって、杉内本部長の発言に注目が集まりましたが…。
◆佐賀県警 杉内由美子本部長
「被害者の女性を巡る金銭貸借トラブルをどうにかしてほしいという趣旨であり、一連の申し出内容からは被害者の女性に直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められませんでした…」
また…これまでの回答の繰り返しでしたー。
2019年10月に起きた高畑瑠美さんの暴行死事件を巡り、佐賀県警・鳥栖警察署が遺族から繰り返し相談を受けていた問題。
「佐賀県警の対応次第で瑠美さんの命は救えたのではないか」
遺族の申し出に対し2020年7月、佐賀県警の内部調査を担当した責任者は非を認めていました。
▼佐賀県警 担当者
「全体見渡して適切な指示ができていなかったのかなと。そういう点で非常に申し訳ないところだったなと」
▼遺族
「佐賀県警として不適切だったということ?」
▼佐賀県警 担当者
「その点については申し訳なく思っている、警察として」
ところがー
その後、県警の態度は一転。
「内部調査の結果対応に不備はなかった」と主張したのです。
◆2020年12月 佐賀県議会 杉内本部長
「金銭貸借トラブルをどうにかしてほしいというものであり、被害者の女性に直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められませんでした」
しかし、遺族の相談を記録した当時の報告書には議会での説明と異なる記載が見つかったのです。
「令和1年7月12日 件名 他人から洗脳されている娘を救いたい」
金銭トラブルとひとくくりにするには無理がある相談内容の数々。
また、山本美幸被告らに脅迫された録音データを証拠に被害届を出そうとした日もー。
◆遺族
「なんでこれだけ言って被害届を受理せんのですか」
◆A巡査
「そう簡単になんでも被害届をとれるものではない」
被害届を出したいと何度も訴える遺族に対し、当直時間帯であることを理由に被害届の提出を拒否。
しかしその日の報告書にはー
「被害届等の意志」
「現在のところなし」
「解決」
◆遺族
「なんでこれだけ言って被害届を受理せんのですか」
これらの証拠をもってしても「不備はない」と主張する佐賀県警。
遺族はその根拠となる内部調査資料の開示を請求しましたが、手渡されたのは以前自分たちが提出した質問状と来署記録のみでした。
◆夫・裕さん
「県警には真実を明らかにしてほしい。内部調査は信用できない」
そして、29日の会見。
遺族が最も確認したかった「内部調査の資料」について、杉内本部長はー
◆杉内本部長
「関係書類の確認、申し出対応職員への確認の過程において、関係書類に記載している以上の新たに文書を作成しなければならない事実の発見には至りませんでしたので、新たに文章にとりまとめてはおりません」
関係する警察官への聞き取り調査内容についても、公式な書類は一切作成していないと言い切りました。
また2020年7月に調査の責任者が「不備を認める」発言をしていたことについてはー
◆杉内本部長
「担当者がご遺族と面会して結果として被害者が亡くなったことや当日ご遺族が示された認識に対しての『担当者の個人的な思い』や、より丁寧な対応、職員への各種指導を徹底するという今後の教訓について述べたものでした」
あくまで県警としての公式な見解ではないことを強調。
自らを肯定する発言を繰り返す一方で、こんな苦しいやり取りが見られました。
◆記者
「(遺族から)もらっていた相談とか説明では事件にするのは難しかったという認識で間違いない?」
◆杉内本部長
「対応の状況についてはいまご説明させて頂いたとおりです」
◆記者
「対応に誤りとか問題はないという認識でよかったか?」
◆杉内本部長
「事実としてどういう対応をしていたか説明しています」
◆記者
「いや、対応に誤りとか問題がなかったという認識かという質問だが」
◆杉内本部長
「繰り返しで申し訳ありませんが、どのような対応を行っていたかという事実が今申し上げた」
◆記者
「いや、聞いているのは『対応に問題があった・なかった』でいうと無かったという認識で良かったか」
◆杉内本部長
「繰り返しで申し訳ないが、対応の事実関係は今申し上げたとおりです」
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