2020/12/16 21:30
◆記者会見(2020年12月16日)
夫・裕さん「佐賀県警の対応が、あまりにも酷いと思ったので、今回、このような記者会見を開かせてもらった」
2019年10月、高畑瑠美さん(当時36)が、山本美幸被告(41)らから暴行を受け、死亡したとされる事件を巡り佐賀県警鳥栖警察署が事件前、遺族から繰り返し相談を受けていた問題。
◆県議会答弁(2020年12月2日)
佐賀県警杉内由美子本部長「一連の申し出内容からは、被害者の女性に、直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められませんでした」
“相談は家族間の金銭トラブル”と断定し、“対応に不備無し”と主張する佐賀県警に対し瑠美さんの遺族が、12月16日に会見を開き、佐賀県警に反論しました。
◆記者会見(12月16日)
高畑瑠美さんの妹「私たち遺族としては、瑠美を山本被告から引き離したいという相談を再三に渡って、鳥栖警察署にしていた。ただの金銭トラブルだけの相談ではなかった。瑠美の異変と山本被告ら危険性をずっと訴えていた」
高畑瑠美さんの母「ちゃんとした行動をとってもらっていたら、もっと違うかたちになっていたと思います」
瑠美さんの遺族が警察に相談した内容を記した『相談簿』。
そこには“金銭トラブル“だけでなく“瑠美さんを山本被告から引き離したい”という、遺族の切実な訴えが記されていました。
◆相談簿
▽瑠美さんの母親(2019年7月12日)
「ヤマモトという女性から娘が洗脳されているようなので、どうにかして救いたい」
▽瑠美さんの妹(2019年8月7日)
「姉を取り巻く環境が心配」
さらに瑠美さんが亡くなる直前には・・・
◆相談簿
▽夫・裕さん(2019年9月25日)
「脅迫の被害届を出せないか」
◆録音された脅迫音声(2019年9月23日)
山本被告「あなたの奥さんがホストクラブで“かけ”をして、そのお金を払わないといけんけん、55万円立て替えといて下さい、毎月3万円払いますのでと言ったのは誰ですか?」
田中被告「なぁナメた真似してくれたな、弁護士いれた◎△$♪×¥●&%#?! 上等や、弁護士入れてどないなるかしてみたらいいやない。なぁ、なぁ、なぁ、◎△$♪×¥●&%#?!おい!おい!」
夫の裕さんは2019年9月、山本被告と元暴力団組員・田中政樹被告(47)からの脅迫を3時間録音し鳥栖警察署に相談しました。
ところが・・・。
▼鳥栖署での対応音声(2019年9月25日)
鳥栖署・警察官A「自分は、ちょっと5分間くらいしか聞いてないが、そう簡単に何でもかんでも被害届は取れるものではない」
遺族側「今、こうやって脅されている状態、脅し文言がある状態で」
警察官A「何かあったらすぐ110番して下さい。そういった暇もなく刺されたらどうするかと言われたら、市民の方を守らないといけないが、誰でもそれを守れるかといえば・・・。押しかけられたら110番して下さいね、そしたら来ますよ、(そういう)ことしか言えない」
鳥栖警察署は被害届の受理を拒んだのです。
佐賀県警の主張によると瑠美さんの遺族は事件前、鳥栖警察署に8回相談。
このうち4つの相談に山本被告の名前が14回登場しましたが、捜査に乗り出すことなく4つ全ての相談を“解決”としていました。
◆記者会見(2020年12月16日)
夫・裕さん「あまりにもキレイに終わらせすぎている。こっちは被害届を出したいんだ。だけど相談簿を見る限り、これは解決している。何を言っているの?おかしいんじゃない?佐賀県警と言いたい」
高畑瑠美さんの妹「私たち家族では手に負えない状況だったので、相談をずっとしていたが、真摯に対応して頂けなかったのは本当に残念しかありません」
◆県議会答弁(2020年12月2日)
杉内本部長「直ちに危害が及ぶ可能性があると認められなかったとしても、結果として関係者がお亡くなりになるという、重大な結果が生じうることもあり得ることを念頭に、より丁寧な申し出対応を心がけて参りたい」
事件後、佐賀県警トップの杉内由美子本部長は”今回の件を今後の教訓にする”と述べるにとどまっています。
問題は佐賀県議会でも取り上げられましたが…。
◆県議会(総務常任委員会 2020年12月10日)
井上祐輔県議(共産党)「結果として事件性に気づけていなかった。そのことに関して遺族に一言も謝罪はないのか?」
杉内本部長「被害者の女性がお亡くなりになられたことは大変重く受け止めており、本件を今後の教訓としてまいりたいと考えております」
井上祐輔県議(共産党)「謝罪する気はないのか?それともあるのか?はっきりお答え頂きたい」
杉内本部長「繰り返しで大変申し訳ないが、被害者の女性がお亡くなりになられたことは大変重く受け止めており、今後の教訓としてまいりたいと考えております」
井上祐輔県議(共産党)「謝罪する気はあるとは仰られません。『ない』と認識させて頂きます」
杉内本部長は、質問とかみ合わない回答を繰り返すばかりでした。
◆記者会見(2020年12月16日)
高畑瑠美さんの母「同じテープを何度も繰り返し聞いているようで、本当にこの人は自分の言葉で言っているかな。そんな気がします。もし万が一、自分の身内に同じようなことがあったら、こういう態度は取れないのではないか」
高畑瑠美さんの妹「杉内本部長は、内部で調査されたことだけを信じて物事を発信しているんだろうな」
◆県議会答弁(2020年12月2日)
杉内本部長「県警と致しましては、改めて調査を行うことは予定していない」
内部調査だけで一方的に結論を出した佐賀県警。
瑠美さんの遺族は第三者による再調査の必要性を訴えました。
◆記者会見(2020年12月16日)
夫・裕さん「県警には真実を明らかにしてほしい。内部調査は信用できない。第三者が入った状態できちんと調べてほしい」
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