2020/12/10 21:30
12月10日、佐賀県議会の場で2回目の答弁に立った佐賀県警のトップ、杉内由美子本部長。
◆佐賀県議会
共産党・井上祐輔県議「結果として事件性に気づけなかったそのことに関して遺族に一言も謝罪はないんですか?」
佐賀県警・杉内由美子本部長「今後の教訓にして参りたい」
井上県議「謝罪する気はあるのか、無いのか、はっきりお答えください」
杉内本部長「繰り返しになって申し訳ございませんが、本件を今後の教訓として参りたい」
井上県議「謝罪する気があるとは仰られませんね。というふうに認識しておきます」
2019年10月、高畑瑠美さん(当時36)が同居していた山本美幸被告(41)らから凄惨な暴行を受け、死亡したとされる事件。
遺族は事件前、佐賀県警鳥栖警察署に再三に渡って瑠美さんを山本被告から救い出したいと相談していました。
しかし、佐賀県警は当時の対応についてー。
◆佐賀県議会 佐賀県警・杉内由美子本部長(12月2日)
「金銭貸借トラブルをどうにかしてほしいというものであり、被害者の女性に、直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められませんでした」
ところがテレビ西日本が独自に入手した佐賀県警の内部資料にはこれまでの主張を覆す事実が―。
◆相談簿(2019年7月12日)
「令和1年7月12日」
「件名 他人から洗脳されている娘を救いたい」
◆相談簿(2019年8月7日)
「件名 姉を取り巻く環境が心配」
「姉は最近、悪い影響を受けているようですので、姉をなんとかしてその状況から救いたいです」
警察への相談内容を記録する「相談簿」。
そこには、瑠美さんの遺族が「金銭トラブル」以外の相談を何度も繰り返していたことが記されていました。
◆脅迫録音音声(2019年9月)
山本被告「あなたたちのおかげで、めっちゃ借金が増えてさ、めっちゃ生活潰されているんですけど」
田中被告「なぁナメた真似してくれたな、弁護士いれた◎△$♪×¥●&%#?!上等や、弁護士入れてどないなるかしてみたらいいやない。なぁ、聞いてる?黙りんこか?黙りんこかいうとんのや!」
さらに瑠美さんの夫・裕さんが録音した山本被告らの脅迫音声、いわば『決定的な証拠』を持ってしても、被害届を受け付けなかった対応について佐賀県警はこれまで―。
◆佐賀県議会 佐賀県警・杉内由美子本部長(12月2日)
「後日、刑事課に改めて申し出てもらうよう依頼をしたものの再訪がなかったため、事件性の判断をするに至らなかった」
受け取り方によっては遺族側に非があったかのような説明をしてきましたが、この点についても相談簿には「大きな矛盾」が―。
◆相談簿
「脅迫として被害届をとるのは難しいと伝えたところ、申出人は分かりました」
「被害届等の意思 現在のところなし」
「解決」
遺族に後日、鳥栖警察署に改めて来てもらうように伝えたという記載は一切なく、事案は「解決」したと勝手に処理していたことが分かったのです。
12月10日、佐賀県議会の場で2回目の答弁に立った佐賀県警のトップ、杉内由美子本部長。
◆佐賀県議会 杉内本部長
「一連の申し出内容からは、被害者の女性に直ちに危害が及ぶ可能性は認識できませんでした」
これまでと全く同じ回答―。
また「解決」と処理していたことについては―。
◆佐賀県議会
井上県議「『継続』とするべきではなかったのか?どうして解決にチェックされた?」
県警刑事企画課長「繰り返しになりますけど、本年10月に発表した結果は本年7月にお伺いしたご意見を踏まえ、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表しています」
井上県議「委員長、質問に答えてないですよ。全く話が進まないじゃないですか。質問に答えてくれないと。本部長見解としてどうだったのか?」
杉内本部長「7月にご遺族からご意見等を伺ったことを踏まえましてこれに基づき、事実確認等をおこなって、10月に発表した」
井上県議「今回の結果について内部の内部による内部のための調査だと言わざる得ない。第三者をいれた再調査をおこなうこと、それが原因の究明に繋がる」
杉内本部長「再度、調査を行う予定はありません。しかし、いずれしましても被害者の女性が亡くなられたことについては今後の教訓にしたいと考えている」
委員会を終えた杉内本部長を直撃しました。
◆本部長直撃
記者「本部長誰もが納得できる説明をされたとお思いですか?」
本部長「広報を通じてください」
記者「議会に対して不誠実な対応なんでは?」
本部長「・・・」
記者「謝罪はされるんですか?遺族に」
本部長「・・・」
記者「もう、このまま終わらせるつもりですか?第三者を入れた再調査を行わないんですか?本部長!」
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